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女将のおもてなし講座「花の会」
(2021年度第1回)

日時
2021年4月21日(水曜日)午後2時5分~3時5分
場所
名鉄百貨店バンケットルーム
(名古屋市中村区名駅1-2-1名鉄百貨店本店本館9階)
講師
創業享保元年(1716年)の京菓匠 笹屋伊織十代目女将・田丸みゆきさん
今月のテーマ
端午の節句を祝うお菓子
ドレスコード

名古屋・名鉄百貨店において10年以上にわたり毎月、京菓匠 笹屋伊織の十代目女将で京都観光おもてなし大使でもある田丸みゆき先生が講師を務める定期セミナーが開催されている。2021年度の定期セミナーの名称は笹屋伊織「女将のおもてなし講座」で、2020年度同様、毎月のテーマ柄「今月の柄」が決まっている。第1回の今月の柄は「花」。~毎月、柄のテーマがございます。お召し物や小物に、各月のテーマ柄を身に着けて楽しみましょう。」~が、田丸みゆき先生からの受講者へのメッセージ。

今月のテーマは、五節句の一つの「端午の節句」を祝うお菓子で、田丸みゆき先生が選んだお菓子は「ういろう粽」と「白みそ餡の柏餅」。中国の屈原の故事が起源という説がある粽(ちまき)は、5月5日の端午の節句(こどもの日)を祝うお菓子で、邪気を祓い、病気や厄を避けると伝わり、外郎粽、羊羹粽、水仙粽(葛粽)などの種類がある。

中国からの粽の伝来、粽に結んだ赤・青・黄・白・黒の五色の糸についてなどのレクチャーが終わると、粽の美しい食べ方の伝授。田丸みゆき先生によると、間違った手順で粽を食べている人が多いそうだ。田丸みゆき先生による美しい 粽の食べ方(=伝えていきたい粽のいただき方)のポイントは次の通り。 1)粽の細い側ではなく(ここがポイント)、太い側の2本のイガラを引っ張り出し、折り込んである笹の葉の先端部分を引っ張り出す 2)ゆるめたイガラを軸の方に寄せて まとめてから、3枚使っている笹の葉を広げる 3)黒文字で切って一口ずつ食べる(切り分けてから食べてはいけない)

田丸みゆき先生のお手本を参考にして、各受講者が粽の美しい食べ方を実践した。食べ終わったら、あとかたずけ。笹の葉を折って(三つ折りなど)してからイガラでくるくる巻いて後片付けをする。

粽に続いて、もう一つの端午の節句を祝うお菓子「柏餅」。柏の葉は、新芽が出ないと古い葉が落ちないために子孫繁栄と家系が絶えないということから縁起のよさにつながるお菓子「柏餅」は日本生まれのお菓子。生地で包む餡によって、こし餡、つぶ餡、白みそ餡といった種類がある。柏葉を包装紙がわりにして手で持って柏餅を食べてもいいそうだが、田丸みゆき先生伝授の美しい食べ方は次の通り。黒文字を使って、お餅に巻いてある柏葉を広げ下に折り込む(柏葉を下敷きとして利用)。黒文字を使って半分に切って、食べる。食べ終わったら、懐紙を使って後片付けをする。 白みそ餡の柏餅とお抹茶のお茶時間を楽しんだ後、京都発祥の白みそ、名古屋の豆みそなど知っているようで知らない「みそ」の歴史、種類などについてのレクチャーがあった。

text:渡邉 和彦