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笹屋伊織の女将塾「愛される所作~茶色の会」
in 名鉄百貨店

日時
2019年6月5日(水曜日) 午後2時~3時10分
場所
名鉄百貨店本店本館9階バンケットルーム(名古屋市中村区名駅1-2-1)
特別講師
植田ラティス・奥村裕美子さん
今月のお菓子
主菓子「よひらの花」、干菓子「観世水」・「青楓」
今月のテーマ
和菓子に合う紅茶

享保元年(1716年)創業の京菓匠「笹屋伊織」十代目女将で京都観光おもてなし大使でもある田丸先生が講師を務める2019年度3回目の笹屋伊織の女将塾「愛される所作 ~茶色の会」(午後の部)が定刻の午後2時より始まった。今回の女将塾は、田丸先生が選んだ「今月のお菓子」に合う紅茶を特別講師の奥村先生が選ぶというコラボレーション企画。田丸先生が「風待月」(陰暦六月の異称)のテーマカラーとして選んだ「茶色」は、もちろん、紅茶の色。

さて、田丸先生が選んだ「今月のお菓子」は、主菓子が「よひらの花」、干菓子が「観世水」と「青楓」。紫陽花の異名「よひらの花」(四葩の花)が菓銘の主菓子は、白小豆を使った白餡玉を賽の目に刻んだ錦玉で包んだお菓子、簡単に言うと「白餡玉にサイコロ状の錦玉をつけたお菓子」。寒天を煮溶かし砂糖を加え固めた透明感のある錦玉は光が反射してキラキラするので、朝露に濡れた紫陽花を連想させる。色使いと菓銘の付け方で季節を表現できる京菓子だが、餡を包む生地が薯蕷、外郎、錦玉、葛などへと変わることでも季節の移ろいを楽しむことができる。渦巻模様の「観世水」は、京菓子の意匠の定番。

今月のお菓子の説明が終わると、特別講師の奥村先生へバトンタッチ。奥村先生の登壇は、2018年8月17日に次いで2回目。前回のレクチャーは「ティーバッグタイプの紅茶の上手な入れ方」だった。今回は「リーフ(茶葉)タイプの紅茶の上手な入れ方」。奥村先生が「和菓子に合う紅茶」として選んだダージリンのバーネスベック茶園のファーストフラッシュ(春摘み)を実際にティーポットで入れる前に、「これが美味しい紅茶の入れ方」についてのレクチャーを受けた。ポイントは次の4つ。

1.くみたての新鮮な水(水道水でよい)を沸騰させる。ティーポットとカップはお湯を入れてあらかじめ温めておく。
2.ポットに茶葉を計って入れ(今回は計量済の2.5gx4人分=10gの茶葉が用意されていた)、沸騰したお湯を注ぐ。
3.お湯を注いだら直ちに蓋をして蒸らす。今回は180秒。
4.蒸らし終わったら、濃さと分量が均等になるように4つのティーカップに回し注ぎする。

田丸先生が選んだお菓子と奥村先生が選んだダージリン紅茶のコラボレーションを楽しんだ後は、笹屋さんの広告塔でもある田丸先生によるピーアールタイム。今回の女将塾での特別販売は、植田ラティスの紅茶各種。そして、京都府長岡市の柳谷観音 楊谷寺のあじさい祭り用として笹屋さんが調進した特別なお菓子。

text:渡邉 和彦