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笹屋伊織の女将塾「愛される所作~空色の会」
in 名鉄百貨店

日時
2019年4月10日(水曜日) 午後2時~3時5分
場所
名鉄百貨店本店本館9階バンケットルーム(名古屋市中村区名駅1-2-1)
今月のお菓子
2種類の花見団子

2019年度最初の笹屋伊織の女将塾「愛される所作~水色の会」が定刻通りに始まった。講師は、享保元年(1716年)創業の京菓匠「笹屋伊織」十代目女将で京都観光おもてなし大使でもある田丸みゆき先生。毎月のテーマ色があるスタイルとなって3年目に入った女将塾、「毎月、色のテーマがございます。お召し物や小物に、各月のテーマ色を身に着けて楽しみましょう」が田丸先生から参加者へのメッセージだ。名鉄百貨店本店本館9階にあるバンケットルームにおいて毎月1回開催される女将塾は、午前・午後・夜の部の3部制で事前予約制。女将塾の開催日・今月のテーマ色・今月のお菓子などの情報は、「田丸みゆきオフィシャルサイト」の講演情報ページに載っている。講演情報ページより参加申込もできる。

さて、田丸先生が選んだ今月のお菓子は「2種類の花見団子」。花見団子といっても、スーパーなどで販売されている米粉の花見団子ではなく、こなし生地と洲浜生地で作った茶席用のお菓子としても使える2種類の花見団子。最初に、こなし製花見団子。こなしは白餡に小麦粉を混ぜて蒸し上げた生地で、白い生地なので色をつけることができ、小麦粉由来のグルテンにより弾力、粘着力があるので、いろいろな細工ができる京菓子にとってはなくてはならない生地。田丸先生より菓子器(裏千家15代家元鵬雲斎好柳蒔絵田楽箱)に入ったこなし製花見団子の取り方、菓子器の送り方など作法のレクチャーを受けた後、参加者各自が花・草・土をイメージした三色のこなし製花見団子を取り銘々皿にのせた。続いて、田丸先生による食べ方のレクチャーが始まった。「串を持って花見団子をそのままかぶりついて食べてはだめ」、「焼き鳥を食べるように、団子をすべて串から外して食べるのもNG」などの説明の後、黒文字を使って団子を1つずつ切り分けて食べる方法を実際に示してくれた。こなし製花見団子を食べ終えたら、江戸時代に豆飴と呼ばれた浅く炒った大豆を飴で練り上げた洲浜生地製の花見団子(州浜団子)の食べ方のレクチャー(写真・説明省略)。

洲浜製花見団子を食べた後、宇治抹茶をいただいた。続いて、ワンポイントレッスン「ようじ入れの作り方」を受けた後、新元号「令和」を祝した特別羊羹「本練羊羹」の紹介があった。笹屋さんは、かのこ豆をあしらった新元号「令和」本練羊羹を新元号の発表があった4月1日午後に京都市内の店舗で販売を始めたそうだ。京都新聞は「笹屋伊織(南区)は、発表直後に「令和」と書いた包装を急いで作り、1日午後からようかんの販売を始めた」と報じている。享保元年(1716年)に創業した老舗京菓匠の笹屋さん、享保から平成まで25の元号を経験している。変わり目での着想力と機動力はさすがだ。新元号令和での笹屋さんのさらなる飛翔を期待したい。

text:渡邉 和彦