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笹屋伊織の女将塾「愛される所作~桃花色の会」
in 名鉄百貨店

日時
2019年3月6日(水曜日) 午後2時~3時
場所
名鉄百貨店本店本館9階バンケットルーム(名古屋市中村区名駅1-2-1)
今月のお菓子
蓬莱山

桃花色がテーマ色の2018年度最終回の女将塾が定刻通り始まった。田丸先生が選んだ今月のお菓子は、お祝いのお菓子「蓬莱山」。「蓬莱山」は、中国に伝わる不老不死の仙人が住む理想郷のこと。結婚披露宴の引き出物などとして使われるお祝いの菓子「蓬莱山」は、表面をきんとんで飾り付けた大きな薯蕷饅頭の中に色とりどりの小さな薯蕷饅頭が入っていることから「子持ち饅頭」と呼ばれることもあるそうだ。田丸先生は、1個の重さが約1.6kgある「蓬莱山」(桜・菜の花の2種類を各2個)計4個を大きな紙袋に入れて京都から名古屋までご自分で運んできた。宅配便を利用すると輸送途中の揺れなどで繊細な「蓬莱山」が型崩れなどすることを避けるためだそうだ。運んでいる姿を再現したのが下記の写真、ちょっとオーバーな演技(?)。

さて、上用(薯蕷)饅頭は、すり下ろした薯蕷(つくね芋)・上白糖・上用粉(粒子の細かい米粉)で作る薯蕷生地で餡を包んだ饅頭で、餡炊き、包餡、蒸し上げといった和菓子作りの基本の技が詰まっている饅頭だ。田丸先生によると、純白の薯蕷生地は何色にも染まる清純無垢を表し、饅頭の響きは万寿(まんじゅ)に通じ、丸い形は円満で幸せな家庭を築くようにとの願いが込められているそうだ。「蓬莱山」についてのレクチャーが終わると、待ちに待ったウェディングケーキ入刀、いや、「蓬莱山」の切り分けだ。インスタ映え間違いなしの写真タ~イム、「皆さん前の方へお越しください」。田丸先生がマイナイフで「蓬莱山」を半分に切り分けると、断面が見えた。きんとんで飾り付けられた大きな上用(薯蕷)饅頭の中に、色とりどりの小さな上用(薯蕷)饅頭が入っていた。子持ち饅頭との別名がある「蓬莱山」の美しい切り口をご覧ください。なお、最近は、子宝や子孫繁栄の祈りがこめられた「蓬莱山」(子持ち饅頭)を和装結婚式においてウェディングケーキの代わりに使うケースがあるそうだ。

切り分けられた「蓬莱山」とお抹茶で甘楽茶楽タイムの後、田丸先生より「老舗」についての話、イベント開催のお知らせなどがあった。次回の女将塾は、2019年4月10日(水曜日)に開催される「愛される所作~空色の会」。開催日が当初発表から変更になったので、ご注意ください。新年度の女将塾も毎月、テーマ色が決まっている。「お召し物や小物に、各月のテーマ色を身に着けて楽しみましょう」が田丸先生からのメッセージ。

text:渡邉 和彦