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笹屋伊織の女将塾「愛される所作~烏羽色の会 」
in 名鉄百貨店

日時
2018年8月8日(水曜日) 午後2時~午後2時55分
場所
名鉄百貨店本店本館9階バンケットルーム(名古屋市中村区名駅1-2-1)
今月の京菓子
水まんじゅう(こしあん・抹茶あん)

2018年度の女将塾「愛される所作」は毎回、日本の伝統色に基づいた「今月の色」が指定されている。第5回目の「今月の色」は烏羽色(からすばいろ)、読んで字のごとく「烏の羽の色」。笹屋さんのお菓子でいえば、ふんわり醤油風味のもっちりとした生地で黒胡麻あんを包んだ「胡麻鼓(ごまつつみ)」のパッケージが烏羽色だ。

さて、田丸先生が取り上げた今月のお菓子は、「水まんじゅう(こしあん・抹茶あん)」。日本各地にいろいろなスタイルの「水まんじゅう」があるが、笹屋さんの「水まんじゅう」はカップに入った葛まんじゅう。見た目の清涼感と口に入れたときのツルンとした食感が特徴の葛まんじゅうは、夏になくてはならない涼菓。

秋の七草の一つの葛の根から採取した葛粉で作る葛まんじゅう。葛の根(葛根)は、お菓子用だけでなく漢方薬としても使われている。風邪薬としてよく知られる漢方薬の葛根湯の歴史は古く、1800年ほど前の紀元200年頃の中国の医書に載っているそうだ。葛まんじゅうの別名、水仙まんじゅうは、葛切がもともと水仙羹と呼んでいたことに因むなど葛菓子の歴史などを学んだ後、カップに入った葛まんじゅうの上手な取り出し方のレクチャー。田丸先生が上手な取り出し方のコツを解説しながら、お手本を実演してくれた。縁を押して押して、ひっくり返し、振ってっ振って、「ほら、かんたんでしょ!」

お手本を参考にして受講者各自が葛まんじゅうをカップから取り出し笹の葉の上に並べ終えると、お抹茶と葛まんじゅうで甘楽茶楽タイ〜ム、「どうぞお召し上がりください」。葛まんじゅうを黒文字を使って半分に切っていただいたら終わりではない、あとかたづけを忘れないこと。甘楽茶楽タイムが終わると、田丸先生よりお盆の仏教行事「五山の送り火」についての話などがあった。

text:渡邉 和彦