TAMARU MIYUKI.COM

京菓子の美しいいただき方と和の美人度アップ講座
in 名鉄百貨店

日時
2017年2月15日
場所
名鉄百貨店本店本館9階バンケットルーム(名古屋市中村区名駅1-2-1)
特別講座
職人による上用まんじゅう作り体験

2016年度第11回目は特別講座、笹屋さんの京菓子職人の指導による上用まんじゅう(薯蕷饅頭とも)作り体験。田丸先生から今回の講座の特別講師2名の紹介があった。1名は愛知県豊田市出身で京菓子職人として15年ほどの経歴がある伊藤さん。もう1名は昨春入社の新人、いや将来の京菓子職人の川合さん、岐阜県土岐市出身。

特別講師の自己紹介が終わると、伊藤さんによる上用生地作りの実演が始まった。すり下ろしたつくね芋に砂糖、上用粉を力強く捏ね上げる。上用生地ができたら、1個分へと切り分け。なお、つくね芋は、植物分類でいうと、やまのいも科やまのいも属山芋種やまといも(つくね芋)群に分類される。

上用生地の切り分けが終わると、伊藤さんは漉し餡とピンクに染めた白餡の二重餡を上用生地で包み始めた。受講者が実際に行う包餡のお手本を伊藤さんは解説しながらいとも簡単に行っていたが、実際に自分でやってみると包餡はそんなに簡単なものではなかった。

伊藤さんによる包餡の実演が終わると、受講者各自が実際に二重餡を上用生地で包む実習へと移った。特別講師2名のアドバイスを受けながら、真剣に包餡する受講者。受講者全員の包餡が終わると、いよいよ仕上げ工程の蒸し上げ。

蒸し上がるまでの時間、田丸先生の軽妙洒脱なトークでリラ~ックス、和んだ雰囲気のセミナー会場。そこへ蒸し上がったばかりの純白の上用まんじゅうが登場!自分自身で包餡したアツアツの上用まんじゅうと、京都イオリカフェのお抹茶をいただく、とてもrichな甘楽茶楽タイム~。

漉し餡とピンクに染めた白餡の二重餡を上用生地で包み、蒸し上げた上用まんじゅう。餡炊き、包餡、蒸し上げという京菓子職人の技が凝縮された上用まんじゅう。包餡は言い換えると、「餡を隠す」。餡炊き十年と言われるように「餡」は京菓子にとって重要なもの。「餡」は美味しくなければならない。「餡」は甘くなければならない、でも甘すぎてはいけない。このように「餡」は重要なもの、だから上用生地で隠す、京菓子職人の美学だと思う。上用まんじゅうをいただくときは、隠されている餡を見てあげることが京菓子職人へ敬意を表することになると思う。京菓子職人作の上用まんじゅうを包丁で切ると、断面は「猪目」(ハート)のようだった。美しい。

text:渡邉 和彦