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京菓子の美しいいただき方と和の美人度アップ講座
in 名鉄百貨店

日時
2016年11月16日
場所
名鉄百貨店本店本館9階バンケットルーム(名古屋市中村区名駅1-2-1)
今月のお菓子
み月と栗蒸し羊羹
ワンポイント講座
贈り物美人

2016年11月度のセミナーは、田丸先生の著書・創業三〇〇年老舗京菓匠女将にならう「愛される所作」(主婦と生活社)発売後の最初のセミナーとなるので、著書の販売/サイン会を兼ねていた。セミナーの本題に入る前に、田丸先生から同書が出身地の大阪にある紀伊国屋梅田本店において高校の先輩の東野圭吾さんの「恋のゴンドラ」を抜いて、週間ベストセラー(10/31〜11/6)のランキング第 3 位に入ったとの報告があった(参加者一同拍手)。

今月のお菓子は、栗蒸し羊羹「おどり舟」と栗練羊羹を使う「み月」。小豆に小麦粉、葛粉等を混ぜて蒸し上げる蒸し羊羹と小麦粉の代わりに江戸時代初期に発見された寒天を利用して開発された練羊羹についての説明があった。

蒸し羊羹と練羊羹の説明を聞いた後、竹皮に包んで蒸し上げられた栗蒸し羊羹「おどり舟」を喫食した。続いて、皇室の菩提寺である総本山御寺泉涌寺(みてら・せんにゅうじ)境内で 11 月 12 日~12 月 4 日の期間でしか購入することができない「み月」の誕生ストリーを聞いた。「み月」は JR 東海の「そうだ京都、行こう」(2009 年初秋のキャンペーン)で紹介された泉涌寺のテレビ CM のために特別に調整されたお菓子で、菓銘の「み月」は泉涌寺の第154 世長老の上村貞郎(ていろう)猊下よりご命名・ご染筆を賜ったとのこと。なお、「み月」の「み」がひらがなになっているのは、御寺の「御月」、美しい「美月」、魅力的な「魅月」、ますます栄える「弥月」、味わう「味月」、そして田丸みゆき先生の「み月」などいろいろな月を愛でていただくようにという思いが込められているとのこと。

「み月」は、~栗練羊羹に満月をイメージさせる色使いの村雨生地を重ね、さりげなく金粉を散らせた~お菓子。栗蒸し羊羹と栗練羊羹の味比べとして「おどり舟」と「み月」を喫食するのもいいが、「み月」だけで栗練羊羹と村雨生地の二層の妙(食感、口どけ等の違い)を楽しむこともできる。「み月」を楽しんだ後、スタッフの田中さんが点てたお抹茶を一服。なお、今回のセミナー参加者対象で「み月」の特別販売があった。

今月のワンポイント講座のテーマは「贈り物美人」。贈り物を玄関先で渡す場合と洋室に案内されて渡すときのポイントなどについてレクチャーがあった。続いて、贈り物を選ぶ時の次の5つのポイント ~①普段使いにはない高価なもの、②後に残らないもの、③ディスカウントで売られてないもの、④女性や子どもが喜ぶもの、⑤簡単に手に入らないもの~ についてレクチャーがあった。

●贈られてうれしいものは何だろうかと自分が贈られる立場になって考えることが重要だと思った。
そして、日ごろからインターネット、カタログ、ウィンドーショッピングなどで、贈り物として喜ばれるものに関する情報を仕入れておかないといざというときに間に合わなくなり、「前回と一緒、去年と一緒でいい」、「ビールでいいか」などと何も考えもしないで贈り物をすることはよくある話だ。「もうちょっとましな物ちょうだいよ」などと思われることのないようにするには、日ごろの情報収集が大事であることを再認識した。

text:渡邉 和彦